書評『100万円からの空き家投資術』


今回の書評は、『100万円からの空き家投資術』


学生時代に、建築学科の方々と一緒に、かやぶき屋根の家のリノベーションなんかに関わっていた関係で、けっこうそっち方面に興味があります。

今も、土日を使って実家に鶏小屋を建設したりしてます。


この本に興味を持った他の理由は、仕事で地域を回っていると、見て目立つ以上に、空き家が増えてきているし、

「80歳のおばあさんが一人で住んでて、子供は東京に家を建ててあり、帰ってくるつもりはない・・・」

なんていう、空き家予備軍がぞろぞろあるという現実を目にしているから。


あとは、将来、空き家を改修してゲストハウスを作りたいなーなんて思っているから。



さて、そんな空き家ですが、

現在、全国に820万戸あり、さらにこの量が1年で16万戸増加しているとのこと。

この割合は、人が減っている田舎の方がきっと悪いはず。(統計とか調べてはいませんが。。)


これは、本書には載っていませんが、

日本の平均住宅寿命は、27年。

これに対して、アメリカは103年、イギリスは141年なんていうデータもあります。

これは、ヨーロッパのように古い建物を修理しながら長く使おうというよりも、

新築でどんどん新しい建物を建てて住んでいるという現状があるからです。


新築の着工数を見ても、平成26年で88万戸。

これに対して、毎年16万戸も空き家が増えているということを考えると、不健全なバランスであることがわかります。


空き家が増えているのは、固定資産税の関係とか、日本人の新築信仰とか、理由はさまざまあるみたいですが、今回はそれについては、触れません。いつかは考察してみたいとは思ってます。



さて、本書の主旨に行きましょう。

簡単にいうと、

空き家を安く探して購入し、セルフリノベも含め、安くリフォームして、賃貸として貸し出すことで、

20%近い利回りで運用できますよ、

という感じ。



それに関する注意点や、経験談なんかがわかりやすくまとめられています。

空き家投資の良い点は、株式投資なんかと比べると、より経営的で、創意工夫を行いながらやることができるので、

自分でコントロールできる幅が広くなるというところです。

ただディスプレイの数字を眺めているよりも、やりがいがある?かな。



ただ、私が思うこの投資本の欠点としては、

サンクコストが考慮されていない、という点です。

賃貸で収入が入ってくるといっても、長期的にみれば修繕費もでてきますでしょうし、

ホントに需要がなくなれば、解体などで処分する必要もでてきます。

本書では、そこまでの長い視点からの考察はなされていないようでした。

解体費用なんか、ばかにならないですからね。



まあ、なんか中身にはそんなに触れられませんでしたが、

今回はこんな感じで。

でわでわー

ねこ・地域・ブリコラージュ

田舎の地域金融マンの徒然なる心の叫び。

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